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使徒行伝 第 二十五 章 <戻る 進む>


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ペリクスの後任、フェストに渡される――25:1-26:32

(1)

ユダヤ人の指導者たちの要請は退けられる――25:1-5
25:1こうして、フェストはその州に入り、三日後にカイザリヤからエルサレムへ上った。
25:2すると、祭司長たちやユダヤ人の指導者たちは、フェストにパウロを訴え出た.そして彼らは彼に嘆願し、
25:3パウロに敵対する件で好意を求めて、パウロをエルサレムに召喚していただきたいと頼んだ.彼らは途中でパウロを待ち伏せして、殺そうとしていたのである。
25:4そこでフェストは、パウロはカイザリヤに監禁されているし、また自分もそこへ間もなく赴くところであると答えた。
25:5そして彼は、「あなたがたの中の1有力な者たちが、わたしと一緒に下って行き、もしその男に何か2不正があるなら、彼を訴えるように」と言った。

(2)

フェストの前で自己弁明をする――25:6-8
25:6さて、フェストは彼らの間に八日か十日ほど滞在した後、カイザリヤへ下って行った.そして翌日、彼は裁判の席に着いて、パウロを連れ出すように命じた。
25:7パウロが着くと、エルサレムから下って来ていたユダヤ人は、パウロの周りに立ち、彼に対して多くの重大な訴えを起こしたが、彼らはそれを証拠立てることができなかった.
25:8一方パウロは1弁明して言った、「わたしはユダヤ人の律法に対しても、宮に対しても、カイザルに対しても、何の罪も犯してはおりません」。

(3)

カイザルに上訴する――25:9-12
25:9しかし、フェストは1ユダヤ人の好意を得ようとして、パウロに答えて言った、「あなたはエルサレムへ上って行き、そこでこれらの事柄について、わたしの前で裁きを受けるつもりはあるか?」
25:10するとパウロは言った、「わたしはカイザルの裁判の席の前に立っています.わたしはここで裁かれるべきです。わたしはあなたもよく知っておられるように、ユダヤ人に対して何の悪いことも行なっておりません。
25:11もし、わたしが悪いことを行なっており、また何か死に値することを犯していたとすれば、わたしは死ぬことを拒みません.しかし、これらの人たちがわたしを訴えている事が事実無根だとすれば、だれもわたしを彼らに渡すことはできません。わたしは2カイザルに1上訴します」。
25:12そこで、フェストは1議会と協議した上で答えた、「あなたはカイザルに上訴した.カイザルに行くがよい」。

(4)

フェストによってアグリッパ王に差し向けられる――25:13-27
25:13さて何日かたってから、1アグリッパ王と2ベルニケがカイザリヤに到着して、フェストにあいさつした。
25:14彼らがさらに数日、そこに滞在していた間に、フェストはパウロに関する問題を、王の前に持ち出して言った、「ペリクスが、囚人として残していった一人の男がいます.
25:15その者のことで、わたしがエルサレムにいた時、祭司長たちやユダヤ人の長老たちはわたしに告発し、彼に対して刑の宣告を下すことを求めました。
25:16わたしは彼らに、『だれであれ訴えられた者が、訴えた者と対面して、その訴えについて弁明する機会を得ないまま引き渡されるのは、ローマ人の慣例ではない』と答えました。
25:17それで、彼らが一緒にここに来た時、わたしは時を移さず、その翌日、裁判の席に着き、その者に出廷を命じました。
25:18その者について、訴える者たちが立ちましたが、わたしが推測したような悪事は何も訴え出ませんでした。
25:19ただ彼らは、自分自身の1宗教について、また死んでしまったのに、生きているとパウロが証言しているイエスなる者について、彼に敵対するいくつかの問題を持っていました。
25:20それでわたしは、このような事をどのように取り調べたらよいか1困惑し、パウロに、エルサレムへ行って、これらの事について裁かれるつもりはあるかと問いました。
25:21しかしパウロは、1皇帝の裁決があるまで監禁されていることを願い出たので、わたしは、彼をカイザルに送るまで監禁しておくようにと命じました」。
25:22すると、アグリッパはフェストに、「わたし自身も、その者に聞きたいと思っておりました」と言ったフェストは「明日、彼にお聞きください」と言った。
25:23こういうわけで、その翌日、アグリッパとベルニケが大いに威儀を正してやって来て、1千人隊長たちや市の重立った人たちと共に謁見の間に入った.そしてフェストが命じると、パウロは連れて来られた。
25:24そこで、フェストは言った、「アグリッパ王、ならびに列席のすべての方々、あなたがたがご覧のこの者について、ユダヤ人の全群衆は、エルサレムでもここでもわたしに訴え、この者はもはや生かしておくべきではないと叫んでいます。
25:25ところがわたしは、彼が死に値することを何も行なっていないことがわかりました.しかし、彼が自ら皇帝に上訴しましたので、わたしは1彼を送ることに決めました。
25:26彼について、主君に書き送るべき確かなことが、わたしには何もありません.それで、わたしは1あなたがたの前に、特にアグリッパ王よ、あなたの前に、彼を連れて来ました.それは、審問が行なわれてから、書き送るべきことを得るためです。
25:27囚人を送るのに、彼に対する告訴の理由を示さないことは、不合理であると思うからです」。

(5)

アグリッパ王の前で自己弁明をする――26:1-29
26:1すると、アグリッパはパウロに、「自分のことを語ってもよい」と言った。そこで、パウロは手を差し伸べて、自分の弁明をした.
26:2「アグリッパ王よ、わたしがユダヤ人に訴えられているすべての事柄について、あなたの前で今日、1弁明することになったのを、わたし自身、幸いに思っております.
26:31特にあなたが、ユダヤ人の間のすべての習慣や問題に2精通しておられるからです.ですから、忍耐強く、わたしの言うことを聞いてくださるようお願いいたします。
26:4さて、最初からわたしの国民の間で、またエルサレムで、若いころからのわたしの生活がどうであったかを、すべてのユダヤ人は知っています.
26:5彼らはわたしを初めから知っていたので、わたしが、わたしたちの1宗教の最も厳格な派にしたがって、パリサイ人として生きていたことを、彼らは証ししようと思うならできるのです。
26:6そして今わたしは、がわたしたちの父祖になされた約束の望みのために、ここに立って裁かれているのです.
26:7わたしたちの十二部族は、夜も昼も熱心に仕えて、その約束を獲得することを望んでいます。王よ、わたしはこの望みについて、ユダヤ人に訴えられているのです。
26:8がもし死人を復活させられるとしても、それがどうしてあなたがたに信じ難いこととされるのですか?
26:9わたしは以前には、ナザレ人イエスの御名に逆らって、多くの事を行なわなければならないと、自ら思っていました.
26:10これは、エルサレムでもわたしが行なったことです.また祭司長たちから権限を受けて、多くの聖徒を獄に閉じ込めました.そして彼らが殺される時に、彼らに不利な票を投じました。
26:11また、すべての会堂で彼らをしばしば罰し、彼らを強いて冒とくさせようとしました.また彼らに対してはなはだしく激怒し、遠く1外国の町々にまで行って、彼らを迫害しました。
26:12このようにして、わたしは祭司長たちからの権限と委任を受けて、ダマスコへ旅立ちました。
26:13するとその途中、真昼時、王よ、わたしは天から太陽の輝きにもまさる光が、わたしと同行者たちの周りを照らすのを見ました。
26:14そして、わたしたち一同が地に倒れた時、わたしは、一つの声がヘブル語でわたしに言うのを聞きました、『サウロ、サウロ、なぜ1わたしを迫害するのか? 2とげのある棒をけるのは、あなたにとって難しいことだ』。
26:15そこで、わたしは言いました、『1よ、あなたはどなたですか?』。するとは言われました、『わたしはあなたが迫害しているイエスである。
26:16起きなさい.そしてあなたの足で立ちなさい.わたしがあなたに現れたのは、わたしを見た事と、わたしがあなたに現そうとしている事について、あなたを奉仕者、1証し人として任じるためである.
26:17わたしは、あなたをこの民と異邦人から救い出して、あなたを彼らに遣わし、
26:18彼らの1目を開き、彼らを2暗やみから光へ、3サタンの権威から4に立ち返らせるのである.それは、わたしにある信仰によって、彼らが5罪の赦しと、7聖別された人たちの間での6嗣業を受けるためである』。
26:19こういうわけで、アグリッパ王よ、わたしは天から1見せられたことに背かず、
26:20まずダマスコにいる人たち、またエルサレムとユダヤの全国にいる人たちに、そして異邦人に、彼らが悔い改めてに立ち返り、悔い改めにふさわしいわざを行なうようにと告げました。
26:21これらの事のために、ユダヤ人は、宮の中にいたわたしを捕らえて、殺そうとしたのです。
26:22こういうわけで、わたしは、から1助けを得て、今日に至るまで立ち、小さな者にも大きな者にも証しをしてきました.そして、預言者たちとモーセが、起こるはずであると言ったこと以外には、何も言いませんでした.
26:23すなわち、キリストが苦難を受けること、そして1死人から復活する最初のであって、民にも異邦人にも2光を宣べ伝えることです」。
26:24パウロがこのような事を弁明していた時、フェストは大声で言った、「パウロよ、おまえは1気が狂っている。博学がおまえの1気を狂わせているのだ」。
26:25しかしパウロは言った、「フェスト閣下、わたしは気が狂ってはいません.わたしは真理と冷静な言葉を語っているのです。
26:26王はこれらの事柄について1知っておられるので、わたしも王に対して2自由に申し上げているのです.これらの事柄は、一つも王に隠されていないとわたしは確信します.なぜなら、これは片隅で行なわれたのではないからです。
26:27アグリッパ王よ、あなたは預言者たちを信じますか? わたしはあなたが信じておられることを知っています」。
26:28すると、アグリッパはパウロに答えた、「おまえは少しばかりの話によって、わたしを説得してクリスチャンにしようとするのか?」
26:29そこでパウロは言った、「少しにしても多くにしても、わたしがに願うことは、あなただけでなく、今日わたしの話を聞いた人がすべて、わたしと同じようになることです.これらの縄目は別ですが」。

(6)

アグリッパの判定――26:30-32
26:30そこで、王と総督とベルニケと、同席した人たちとは共に立ち上がった.
26:31彼らは退席してから、互いに語って言った、「この者は、死や縄目に値することは何も行なっていない」。
26:32そして、アグリッパはフェストに言った、「1この者は、2カイザルに上訴していなかったら、釈放されたでしょう」。

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