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使徒行伝 第 二十三 章 <戻る 進む>


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ローマの総督ペリクスに、千人隊長によって移管される――23:16-24:27

(1)

秘密のうちの移管――23:16-35
23:16しかし、パウロの姉妹の息子が、1その待ち伏せのことを聞いたので、来て兵営に入り、パウロに知らせた。
23:17そこでパウロは、百人隊長の一人を自分の所に呼んで言った、「この若者を千人隊長の所へ連れて行ってください.千人隊長に何か知らせることがあるようです」。
23:18そこで、百人隊長は若者を連れて、千人隊長の所へ行って言った、「囚人のパウロがわたしを呼んで、この若者をあなたの所へ連れて行くようにと、わたしに頼みました.彼はあなたに何か申し上げることがあるようです」。
23:19すると、千人隊長は彼の手を取り、人のいない所へ連れて行って尋ねた、「わたしに知らせなければならない事とは何か?」
23:20そこで彼は言った、「ユダヤ人は、パウロを明日サンヒドリンに連れ下るように、あなたにお願いする申し合わせをしました.それは、彼についてもっと正確に尋問するかのように装っているのです。
23:21ですから、彼らの言うことを聞かないでください.彼らのうち四十人以上の者が、パウロを待ち伏せしています.彼らはパウロを殺してしまうまでは食べ飲みしないと、彼ら自身をのろいの下に置いています.今や彼らは用意を整えて、あなたからの約束を待ち受けているのです」。
23:22そこで千人隊長は、「これらの事をわたしに知らせたとは、だれにも話すな」と命じて、その若者を去らせた。
23:23そして、千人隊長は百人隊長たちのうちの二人を呼んで言った、「兵卒二百人、騎兵七十人、1槍兵二百人をカイザリヤまで出発できるように、夜の2九時までに準備せよ.
23:24また、パウロを乗せるものを用意して、彼を無事に総督1ペリクスに送り届けよ」。
23:25そして、彼は次のような文面の手紙を書いた.
23:26「クラウデオ・ルシヤから、総督ペリクス閣下へ、ごあいさついたします。
23:27この者がユダヤ人によって捕らえられ、今にも殺されようとしていたのを、わたしは、彼がローマ人であることを知ったので、兵卒を率いて行き、彼を救い出しました。
23:28そして、彼らがこの者を訴えていた理由を確かめようとして、彼を彼らのサンヒドリンに連れ下りました.
23:29そして、この者は、彼らの律法の問題について訴えられたのであって、告訴されている死刑や縄目に値するものは、何もないことがわかりました。
23:30そして、この者に対する陰謀があることがわかりましたので、わたしは直ちに彼をあなたにお送りし、訴える者たちにも、あなたの前で彼に対する申し立てをするようにと命じました」。
23:31そこで兵卒たちは、指図されたことにしたがってパウロを引き取り、夜の間に1アンテパトリスまで連れて行った。
23:32そして翌日、騎兵たちにパウロを護送させて、兵卒たちは兵営に戻った。
23:33さて騎兵たちはカイザリヤに入り、あの手紙を総督に渡し、パウロをも彼に差し出した。
23:34すると、総督はそれを読んでから、パウロに、どこの州の出身なのかと尋ねた.そして彼がキリキヤの出であることを知ると、
23:35総督は言った、「あなたを訴える者たちも到着した時に、あなたから十分に聞くことにしよう」.そして、パウロをヘロデの1官邸で守っておくように命じた。

(2)

ユダヤ人の弁護士によって訴えられる――24:1-9
24:1さて五日の後、大祭司アナニヤは、何人かの長老たちとテルトロという1弁護士を伴って下って来た.そして、彼らは総督にパウロを告訴した。
24:2そこでパウロが呼ばれると、テルトロは彼を訴え始めて言った、「1わたしたちは閣下を通して多くの平和を得ており、また閣下のご配慮を通して諸改革が、この国民に対して行なわれていますので、
24:3最も尊いペリクス閣下、わたしたちはあらゆる面で、また至る所で、すべての感謝をもって、それを受けております。
24:4ところで、わたしはこれ以上、閣下をお引き止めしないために、わたしどもが手短に申し上げることを、寛容をもってお聞きくださるようお願いいたします。
24:5さて、この男はペストのようなものであり、また人の住む至る所において、すべてのユダヤ人の間で反乱を起こしている者であり、またナザレ人の一派の首領であることが、わたしたちにわかりました.
24:6この男は宮をも汚そうとしました。わたしたちは彼を捕らえて、1わたしたちの律法にしたがって彼を裁こうとしました.
24:7しかし、千人隊長ルシヤがやって来て、ひどい暴力をもって、彼をわたしたちの手から奪い取り、
24:8訴える者たちに、閣下の所へ行くようにと命じたのです。閣下ご自身で、これらの事柄すべてについてこの男をお調べになれば、わたしたちが彼を訴えている事を、本人から確かめることがおできになるでしょう」。
24:9すると、ユダヤ人もその攻撃に加わり、これらの事はそのとおりであると証言した。

(3)

ペリクスの前で自己弁明をする――24:10-21
24:10そこで、総督がパウロに語るようにと合図したので、パウロは答えた、「閣下が長年の間、この国民の裁判官であられたのを知っておりますので、わたしは喜んで、わたし自身の事について1弁明いたします.
24:11おわかりいただけることですが、わたしが礼拝するためにエルサレムに上ってから、まだ十二日しかたっておりません。
24:12そして、宮の中でも、会堂の中でも、市内のどんな所でも、わたしがだれかと論争していたり、群衆をあおり立てたりするのを見た者はいません。
24:13また、彼らが今わたしを訴えている事で、あなたに証拠を挙げることはできません。
24:14ただ、わたしはこのことを承認いたします.わたしは、彼らが異端と呼んでいるこの「1道」にしたがって、わたしたちの父祖の2仕え、律法と預言者の書に記されているすべての事を信じ、
24:15義人にも不義な者にも等しく1復活があるという望みを、に対して抱いているのです.このことは、彼ら自身も待ち望んでいることなのです。
24:16このことで、わたしもと人々に対して、とがめのない1良心を常に持とうと、自分自身を訓練しております。
24:17さて、わたしは何年ぶりかで、わたしの国民への施しと、ささげ物を携えて来ました.
24:18その際、彼らはわたしが宮で1きよめを受けたのを見ただけで、群衆もおらず、騒動もなかったのです。ただ、アジアから来た何人かのユダヤ人がいました
24:19もし、わたしを訴えることがあるなら、彼らこそあなたの前に出て訴えるべきです.
24:20そうでなければ、わたしがサンヒドリンの前に立った時に、どんな悪事を彼らが見いだしたかを、彼ら自身が言うべきです.
24:21ただ、彼らの間に立っていた時、わたしはこの一言、『死人の復活のことで、わたしは今日あなたがたの前で裁かれているのです』と叫んだにすぎません」。

(4)

不正で腐敗したローマ人政治家の拘束の中で監禁される――24:22-27
24:22ところが、ペリクスはこの「道」のことについてかなり正確に知っていたので、その裁判を延期し、「千人隊長ルシヤが下って来た時に、あなたがたの事件に決着をつけよう」と言った。
24:23そして、彼は百人隊長にパウロを監禁するように、ただし、彼にいくらかの自由を持たせ、彼の者たちが彼の世話をするのを妨げないようにと指図した。
24:24さて何日かの後、ペリクスは、ユダヤ人である妻1ドルシラを伴ってやって来た.彼はパウロを呼び出して、キリスト・イエスにある信仰についてパウロに聞いた。
24:25パウロが2義と、節制と、来たるべき裁きとについて1論じていると、ペリクスは恐ろしくなって、「もうよい.また機会があれば、あなたを呼ぼう」と答えた.
24:26同時に彼は、パウロから1金がもらえることを望んでいたのである。それもあって、彼は頻繁にパウロを呼んで話し合った。
24:27こうして1二年たって、ポルキオ・2フェストがペリクスの後任となった.ペリクスはユダヤ人の3好意を得ようとして、パウロをつないだままにしておいた。

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